「うちの子、なかなか字が上手にならない。」
「自分でも、何を書いているのか読めていない。」など、
ひらがなや漢字が上手く書けないという悩みの役に立つかもしれない いどばたばなし
よく聞かれる質問「どうすれば上手に字が書けるようになりますか?」
ぼく自身も、子どもの頃は、母親から
「字が汚い!」と言われていたなぁ。
教師をしていると、
「うちの子、字が上手に書けなくて困っているんです。どうすれば上手に字が書けるようになりますか?」と、保護者の方からよく聞かれることがありました。
その子の字はこんな感じでした。再現してみました。
どのひらがなを書いているのかは分かるんだけど、きれいな字とは言えませんね。
こんな字の子もいました。
決してふざけて適当に書いているのではなく、
子ども本人にも上手に書きたい気持ちがありました。
でも、なかなか上手く書けないんです。
「本気で何回も書けば上手くなる」と言うだけでは、
子どもの字は上手にはなりません。
そこで、1年生の担任や特別支援学級の担任を経験した私たち夫婦が、
字が上手に書けない原因と練習方法について、いくつかの例を紹介します。
ぜひ、いどばたばなしを聞いていってみてください。
字が上手に書けない原因と対策
字が上手に書けないと一言で言っても、原因は子どもによって様々です。
私たちの経験から考えられる原因をいくつか紹介します。
・形をとらえるのが苦手
・鉛筆を思い通りに動かすのが苦手
・ななめの線や曲線を書くのが苦手
・集中し続けるのが苦手
形をとらえるのが苦手
よく見るということに慣れておらず、
お手本を見ているつもりでも、
ぼんやりと眺めているようなかんじで、
細かい部分を意識して見れていないことがあります。
具体的には、線の始まる場所と終わる場所、線の長さ、線と線の交わり方などです。
対策
具体的なポイントを示す声かけと指差しで意識づける
「この線は、ここから始まっているね。」
「上の線より、下の線の方が長いね。」
「この線に、ななめにぶつかっているんだね。」など、
子どもが意識すべきポイントを具体的に声と指で指し示すことが効果的です。
また、点つなぎのプリントを使って、お手本を見ながら書き写す練習をするのもオススメです。
↓「ななめの線や曲線を書くのが苦手」の項目に詳しく書いています。↓
(何か月、練習しても難しそうな場合には、目の動かし方や見え方などに何かしらの問題があるかもしれないので、病院などで相談すると良いと思います。)
鉛筆を思い通りに動かすのが苦手
鉛筆を握ることや、手を思い通りに
動かすのが難しい子どももいます。
鉛筆のコントロールが上手くできないと、
字が枠からはみ出てしまったり、
「とめはね」の勢いが強くなりすぎて、
流れたような字になってしまったりします。
対策
手や指を思い通りに動かせるように、練習することが有効
いきなり指先だけを思い通りに動かすことはできないので、
体全体を使う運動からするのがおすすめです。
まずは、走ったり跳んだりするなど、体全体を大きく使い、体幹を鍛えるイメージです。
次に、手押し車や、ボール(風船)を両手で抱きかかえるようにキャッチするなど、
腕を使った運動に取り組みます。
手を使う運動も、
手全体を使って握る→全ての指でつまむ
→何本かの指でつまむ→親指と人差し指だけでつまむ
のように全体から部分へと動かす練習をするのが良いです。
つまむ練習を続けていると、だんだんと鉛筆などの道具のコントロールもできるようになってきます。
遠回りに感じるかもしれませんが、体の中心から指先に向かって、思い通りに動かす力は順番についていくので、ぜひチャレンジしてみてください。
時間はかかるけど、続けていると、上手に字を書く以外にも、
できることがどんどん増えていくよ!
ななめの線や曲線を書くのが苦手
縦、横のまっすぐな線は書けても、
ななめの線や曲線を書くのが苦手な子どももたくさんいます。
ななめの線や曲線は、傾きや曲がり方を真似するのがとても難しく、
大人が言葉で指示することもほぼ不可能です。
対策
線なぞりや点つなぎで、ななめの線や曲線の感覚を身につける
曲線の感覚を身につけるのは線なぞりがおすすめです。
子どもの興味のあるイラストの入った線なぞりを選び、
ひらがなの一部分を切り取ったような曲線のなぞり書きをすると効果的です。
ななめの線の傾きの感覚を身につけるには、点つなぎが最適です。
点つなぎには、縦と横の線で構成されたかんたんなものや、ななめの線を組み合わせた難しいものまで、さまざまなレベルがあります。簡単なものから挑戦してみましょう。
また、点つなぎはお手本をよく見る必要もあるので、
形をとらえるのが苦手な子どもにもおすすめです。
このサイトにも無料の点つなぎがあるので、
ぜひ使ってみてください。↓
集中し続けるのが苦手
集中力がなかなか続かず、すぐに字を書くのが
嫌になってしまう子どもも多いです。
周りの音が気になったり、暑すぎる寒すぎる、
まぶしすぎる暗すぎる、気になるものが視界に入るなど、
いろいろな刺激が子どもの集中力を妨げます。
対策
集中力を邪魔する刺激を減らす(なくす)
+1回で書く数を少なくして、小分けにする
大人が思っているより、子どもは刺激に過敏なので、
目に入る物や音、室温、明るさなど、変えられる環境は変えて、
刺激をできるだけ減らしてあげるのが良いです。
また、1枚のプリントにたくさん書かなければいけないことがあると、
それだけで嫌になって集中できないということがよくあります。
1枚のプリントの中で書く数を減らすのが効果的です。
書き終わったらすぐに丸付けをして、2枚目にすすむ。といったように
ぱっぱっと次に進むことで集中が続きやすくなります。
結果的に、書いた数は同じなのに、集中が続く子どもが多いです。
たしかに、この方法で、
集中が続いた子はたくさんいたね。
まとめ
なぜ字が書きにくいかの原因を見極めて、
その子に合った対策や練習方法を考えましょう。
決してすぐに効果はでません。長期目線でゆっくり応援してあげましょう。
経験上、字が苦手で書くのを嫌がっていた子どもも、
少し上手に書けるようになると、どんどん書きたい気持ちが高まっていきます。
粘り強さが必要なのは、案外大人の方かもしれません。
いどばたばなし おしまい。またお話しましょう!
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